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 プレコってなぁに?

プレコは、ナマズ目ロリカリア科アンキストルス亜科に分類される魚。
正式にはプレコストムス(Plecostomus)ですが、観賞魚業界一般では『プレコ』の略称が定着していて、近縁の数属もまとめてプレコと呼んでいます。
鎧(よろい)のように固くザラザラした鱗(うろこ)を持ち、岩などに吸い付くことのできる吸盤状の口を持っているのが特徴です。

 どこにいるの?
アマゾン川を中心とした南米の熱帯域に分布しています。
水の流れの強い渓流のような環境に生息するものが多いが、流れの弱い下流域や止水に生息する種類もいます。
 
 意外に面白い?プレコの名前
グッピーやエンゼルフィッシュ等、熱帯魚に興味がある人ならほとんどの人が知っている魚の名称。
これらは基本的に日本だけで通用する、いわゆるニックネームです。
(単純に英語圏の名称でのカタカナ読みの場合もあります。)

プレコの名前もそのほとんどがニックネーム(名称)になります。
プレコに限らず他の魚もそうですが、学名で表記すると非常にややこしく、またプレコの場合はsp(「specific name」の略。通常学名は属名+種小名で表記されるが、種小名が特定できない場合は「sp」と表記される。)で分類されることが多くなっています。
いわゆる正式な学名が決まっていない魚が多いんです。

プレコのニックネーム(名称)で特徴的なのは下記のような組み合わせでなりたっていることが多く、見た目のイメージや原産地等から出来たものが多くなっています。
宝石や光物系・・・

 オパール、ルビー、パール、プラチナ、ゴールデンなど

階級位・・・

 カイザー・クラウン・クイーン・キング・ロイヤルなど
強調・・・

 ウルトラ・メガ・スーパーなど

産地名・・・

 マラジョー・トカンチンス・シングー・イリリ・タパジョス・ツクルイなど
動物名・・・

 ゼブラ・タイガー・レオパードなど

単語の組み合わせによってニックネーム(名称)が形成されており非常に混同しやすいのも事実です。
また数年前に紹介された種でも最近ではニックネーム(名称)が変化していたり、同じ種類のプレコでも販売店によっては全く違うニックネーム(名称)がついている場合があります。
また新着の時点で複数のニックネーム(名称)が付いてしまう場合もあります。
名前のないプレコは販売しにくいので仕入れ業者さんが、まず名前をつけます。
インボイスをそのまま使用する場合もありますがインボイス自体がはっきりとしていません。その為、同じ魚に名前が2つ付いてしまうことがあります。
これは非常にややこしく難解な事ですが、現在のところどうしようもありません。

下記は代表的な同一プレコのニックネーム(名称)です。

キングタイガーペコルティア



キングロイヤルペコルティア
ゴールデンブルーフィンプレコ

イエローフィンプレコ

タパジョスグレイトリム

レポラカンティクスジョセマリィ


また幼魚・成魚で見た目が異なるため別名がついてしまった例もあります。

さらに同種であると考えられるが見た目の違いがはっきりわかるもの(模様のグレード)には特別に名称が付いたものもあります。
これらは一尾のみに付いた名前でなくグループ群として存在します。

プレコのニックネーム(名称)は注意してみていると非常に面白いです。

 分類と特徴
プレコには、おおまかですが下記分類の属名があります。
それぞれの属名は魚の特徴により分類されておりますが、現在でも詳細が不明なプレコが多数存在しており非常に興味深い魚なんです。

<パナクエ属>
主にロイヤルプレコ類の仲間。頭でっかちな体型とストライプ模様が特徴です。
採集地域の違いで体型や体色に違いがあり色々なパターンをコレクションする楽しみがあります。
流木を良く好んでかじりますので、水槽内に入れてあげるとGOOD!シェルター代わりにもなります。

<プセウドアカンティクス属>
“○○トリム”という名前で流通しています。派手な体色を持つものから地味なタイプの個体までさまざまな種類が存在します。
中でも非常に美しく人気があるウルトラスカーレットトリムプレコが代表的な存在です。
大型の個体は体表のトゲが非常に発達し、性質も荒いので、同居させるプレコには注意が必要です。

<スコビアンシストルス属>
マグナムの仲間はここに属します。非常に発達した歯を持ち、動物質の餌を好みます。
美しい種が多く、ゴールドエッジマグナムプレコは人気種です。
渓流域に生息しているので水質悪化に注意し、強い水流とエアーレーションをしてあげるとGOOD!

<メガランキストルス属>
頭部が大きく、体側のトゲが非常に発達しています。性質も非常に荒く同居させるプレコには注意が必要です。
“ハイフィンレオパードトリム”や“ドラゴンハイフィンレオパードトリム”は見た目も非常に美しくインパクトがあります。
以前は大型個体ばかりの輸入でしたが近年では比較的小型の個体も少数ですが見かけるようになりました。

<バリアンシストルス属>
鮮やかなスポットと背ビレと尾ビレの縁取りでプレコブームの火付け役となったオレンジフィンカイザーがこの仲間。
採集地の違いで体色にバリエーションが豊富です。
入荷してくる個体は小さいサイズが多いですが、大きく育った個体も非常に見応えがあります。
水質の急変に弱く水槽導入時は痩せやすい一面がありますが、一度落ち着けば丈夫な種です。オレンジフィンブラックやブラックウィズホワイトプレコもここに分類されます。

<ヒパンシストルス属>
この属の代表種インペリアルゼブラプレコは、まさに自然の芸術品という言葉がピッタリの種。1988年に日本人によって発見された事は非常に有名で、その美しさから世界中から注目になりました。
プレコの聖地シングー川中流域が原産。純白の体に漆黒のストライプ模様。単なるコケ取り魚だったプレコの存在を一躍スターの座にしたのは間違いなくこの魚でしょう。若干ですが、食が細い面があり、人工飼料に餌付くまでに時間を要すことがあります。国内外にて繁殖例が数多く知られています。状態良く飼育しシェルター(隠れ家)になるものを多く用意してあげるとよいでしょう。複数匹飼育し、しっかりと親魚を育てるのが重要です。数年間インペリアルゼブラプレコのみで1属1種でしたが近年複数種の、プレコがヒパンシストルス属にspで登録されていますが詳細は不明です。

<アカンティクス属>
現在はアグアプレコとガリバープレコが存在します。いずれも脂ビレがないことが特徴です。
幼魚時にホワイトスポットが入るアグアプレコですが、成長に伴い、スポットは消失して真っ黒な体色になります。いずれも体側には非常に発達したトゲを持ち、性質も荒く同居させるプレコには注意が必要です。

<レポラカンティクス属>
ドラゴンスタークラウン系の仲間になります。
特徴としては、やや吻部が長く、体側にトリム系程ではありませんがトゲがあります。
性質もやや荒く混泳させるプレコには注意が必要です。

<ペコルティア属>
○○ペコルティアや○○タイガープレコの名前で親しまれている小型プレコ。
60cmのレギュラー水槽で色々なタイプのペコルティア属を飼育することも可能で非常に人気のある種類です。
採集地域変異や個体差も非常に激しく同じ種類のペコルティアでも名前が異なる程です。
また水槽内での繁殖例も数多く聞かれるようになり繁殖にチャレンジしてみても面白いですね。

飼育のポイント
プレコは比較的流れが強い場所に生息しています。
水槽内には水中ポンプ等で水の流れを作り、ディフューザーでエアーを供給してあげるといいでしょう。また餌もよく食べフンの量も多いため、水槽の大きさに合わせたろ過装置よりも若干余裕のあるろ過装置がおすすめです。

また、プレコは夜行性ですので日中(蛍光灯点灯時)はほとんどといっていい程、活動はしてくれません。
さらに、縄張りや出会いがしらにケンカもしてしまいますのでシェルター(隠れ家)は必要です。シェルターには流木や産卵筒が良いでしょう。

*水中ポンプ*
*信楽焼シェルター*
*ディフューザー*
*外部式フィルター*
■ プレコの餌
コケ取りのイメージが強いプレコですが割りと動物質な餌を好む種類も多いです。
底に沈むタイプのタブレットフードが各種販売されております。
輸入直後の個体は人工飼料をいきなり食べてくれることが少ないので、冷凍赤虫やイトミミズ等をあたえるといいでしょう。
*タブレット状のエサ*
*冷凍赤虫*
■プレコの繁殖
近年、インペリアルゼブラやペコルティア類の繁殖報告が数多く聞かれるようになりました。
いずれも産卵筒を利用しての繁殖例が多く夜行性でもあるプレコには安心して産卵できる環境を作ってあげる事が必要です。

 最後に・・・
いまだに未知な部分が沢山あるプレコ。

これだけ種類の豊富なプレコを集めはじめると『あれも』『これも』となってしまい、プレコの魅力に魅了されることでしょう。

魚の分類が確実ではない現在でも、続々とニューフェイスが輸入されてきています。
また私達を驚愕させる程の魅力的なプレコが登場してくれることでしょう。

これからも目が離せない存在です。




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